ウレロ☆未確認少女 DVD-BOXレビュー

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お笑いナタリー記者による、DVD-BOX取材 完全版!!お笑いナタリー記者:粟村氏の視点で、「ウレロ☆未確認少女」DVD- BOXの魅力を完全解説!!隅々まで楽しんで下さい!!

「ウレロ☆未確認少女」のDVD-BOXがいよいよ発売。30分ノンストップ収録、予想もつかない展開、数多く張られた伏線に毎回ハラハラさせられたファンに、DVDがさらなる追い打ちをかける。全話の反省会&9話分のコメンタリー、新作撮り下ろしの第13話、続々追加されるスピンオフコント、このDVD「どーなっちゃうのー!?」と、ももりんでなくても叫びたくなる、まさかの特典映像10時間オーバー。どこから見るのか、何から見るのか、キャサリンじゃなくてもそれはフリーダム! さーや同様「ウレロ」に恋した人なら誰でも、たまちゃん以上にお腹いっぱいになること間違いなし。まだこのDVD-BOXを手に取っていない人、あかりんみたいに黙ってないで、ゴリナ同様、さっそくご指名しちゃいましょう!

【本編】 魅力その1「出演者」

毎週金曜日の夜、お笑いファンをざわざわさせたこの番組。毎週見るのか、一度見逃したら見ないのか、オンエア地域に録画を頼むのか。そんな素敵なざわざわは、出演者発表の2011年8月24日にすでに起こっていた。(http://natalie.mu/owarai/news/55312) お笑い好きの中で、劇団ひとり、バカリズム、東京03、この組み合わせにドキドキしない人はいないのではないだろうか。1994年から96年にかけて相次いで芸人デビューした彼らは、ライブシーンで互いに切磋琢磨し合いながら、今やそれぞれがテレビで求められる人気芸人となった。多方面でマルチな才能を見せる劇団ひとり。誰にも想像しえない世界を創り上げるバカリズム。コントの王道をひたすら突き進む東京03。観客の前で繰り広げられる30分ノンストップの収録は、どこよりも豪華な彼らのライブそのもの。それがこのシチュエーションコメディ「ウレロ☆未確認少女」だ。
劇団ひとりの“顔で見せる”演技は第1話から全開。全開にもかかわらずヒートアップを続け、得意の田原俊彦、ビートたけし、美空ひばりなどのモノマネも続々投入し、第11話ではまさかのマイケル・ジャクソンまで飛び出す。毎回大技を出したバカリズムは、今回テレビで見せた“カワイイ升野”が大きなポイント。早見とのやりとりを中心に現れた意地っ張りで素直じゃない升野は回を追うごとにかわいらしさを増している。
東京03・角田は唯一そのままのキャラクターを活かした人物。いじられて愛されて憎めないダメ男が、ストーリーの緊張感を緩和させ、コントとドラマのバランスを保っていたのかもしれない。東京03・豊本は、気持ち悪いが堂に入っていた序盤に始まり、後半は意外な変貌を遂げる。にもかかわらず、第9話ではまさかの大失態。どこまでもマイペースな様子だ。撮り直しなしという収録でそのほとんどのツッコミを一手に担った東京03・飯塚。アドリブ&ハプニング連続の中、1つのミスもなく出演者のボケを拾い上げ、さらにダサく熱い男を演じた飯塚に気持ちのすべてを託したくなった視聴者も多いはずだ。
そしてそこに放り込まれたのが16才のヒロイン早見あかり。ももいろクローバー時代に培ってきたアイドル力と、女優に転身してからの演技力が、百戦錬磨のお笑い芸人たちが作るシチュエーションコメディでどこまで通用するのか。答えは“どこまでも”。だんだんキレイになっていく姿と、どんどん上達するコント力をDVDでたっぷり堪能しよう。

【本編】 魅力その2 「スタッフ」

「劇団ひとり×バカリズム×東京03」この方程式を作ったのは「ゴッドタン」などを手がける佐久間宣行プロデューサー。佐久間Pは番組発表の際、「なんか夢みたいです。出演者もスタッフも超ワクワクしてます。このワクワクが視聴者の皆様に伝わりますように!」とコメントした。日本全国に向けた正式な発表で、大人の男性プロデューサーが“超ワクワク”と言っている。思わず笑ってしまいませんか? それだけでもうワクワクが伝わってしまった気がする。余談だが、お笑いナタリーでは、番組の初回から最終回までしっかり密着した。その際、佐久間Pは「全員最高のスタッフを集めたので」と言っていたことを覚えている。最高の素材を最高のスタッフで作ったものを誰よりも視聴者に見せたいという思い。それは今回のDVD-BOX発売で改めて叶う形となったに違いない。
そしてこの番組を語る上で絶対に外すことができないスタッフが放送作家のオークラと、劇団「シベリア少女鉄道」代表の土屋亮一。ザワザワもワクワクも、この2人の脚本がなければ、最終話まで持続することは絶対に不可能だったと言い切れる。第6話の収録日、お笑いナタリーでは「佐久間×オークラ×土屋」の鼎談を行った。(http://natalie.mu/owarai/pp/urero/page/4)収録が半分終わった状況で、現場には山ほどの裏話が隠れており、3人はそれを楽しそうに談笑。この時すでに最終話に向けて調整し始めていたそうだが、あの怒濤のラストをDVD-BOXで改めて見返すと、この時の明るい鼎談が空恐ろしなる。彼らが創り上げたこのシチュエーションコメディの結末はそれほどの傑作だ。

【本編】 魅力その3 「奇跡」

「奇跡はあるって信じたい」。第2話で出てきたこの言葉は、「ウレロ☆未確認少女」を語る上で絶対に外すことができない名言となった。実際に第1話から最終回まで奇跡は起り続けたのだ。例えば、第1話「ツドエ☆未確認少女」で起きた「Shit!の奇跡」。まったくと言っていいほどセリフがなかった豊本が本番で“相当盛った”セリフ「Shit!」。のちに豊本がキーマンになるとはまだ誰も想像しない中、この「Shit!」は最後の最後まで活きることになる。続いて第2話「ナオセ☆未確認少」で起きた「跳び蹴りの奇跡」。第1話からすでに足蹴りなどの暴行を角田に働いていたバカリズムは、第2話にしてさっそく華麗な跳び蹴りを披露した。ライブ感をさらに盛り上げたこの行動は瞬く間に過熱。冗談交じりに彼らが語っていたワイヤーアクションが、後半まさかの形で実現する。
そして番組全体の立役者「UFIの奇跡」。人気アイドルグループ・ももいろクローバーZとの全面コラボが実現したことで、このストーリーがグッと深いものになったことは言うまでもない。「ももいろクローバーZ 魂のシュプレヒコールツアー」東京公演にUFIが飛び入り出演、UFIの曲「We are UFI!!!」がももクロの限定クリスマスシングル「白い風」に収録と、テレビの枠を超えたUFIの活動が、ウレロファンをさらに熱くさせた。
また、多くのゲストが登場しストーリーを盛り上げてきたが、ラストボス・王賀龍一を演じた大竹まことの出演はこの番組にとって大きな意味を持つ。30年以上も活動を続けている大御所コントユニット・シティボーイズの彼が、15年近く後輩の芸人たちとテレビコントで共演。リハーサルもそこそこに撮り直しなしの最終回収録に挑んだのだ。多忙な大竹だけに、スケジュール調整が容易ではなかったと実は小耳に挟んでいる。ここでも「奇跡はあるって信じたい」という思いが叶ったのではないだろうか。

NEW 【特典】第13話「コクレ☆未確認少女」

クイーンステージとの騒動も落ち着き、年が明けて2月14日。また升野とあかりはいつもようにケンカをしている。社長が理由と聞くと、あかりが買ってきたチョコレートを升野が落として壊したというのだ。チョコレートと聞いてもちろん動揺する角田。そんな角田を社長はたきつけ、飯塚はよかれとおもってあかりと升野を仲直りさせようとする。しかし彼らの行動が裏目に出てしまい、男たちはあかりを巡って大騒動。角田の思いは伝わるのか、升野は素直になれるのか、豊本はあかりをまだ好きなのか、そしてまさかの飯塚も!?社長は……きっと想像通りでしょう。
実は、特典のニコ生実況や第5話のコメンタリーにも出てくる話だが、脚本には序盤、あかりと角田が付き合うかどうかという分岐点があった。それが、角田のフライング告白により、升野とあかりが徐々に心を開いていくという方向に定まったのだ。その結果ウレロにはなくてはならない“フラれ続ける哀れな”角田が見事に誕生した。後半には、スパイとなった豊本があかりに目を付けた理由が惚れていたからだと判明。そんな魔性の女・あかりは、結局誰を選ぶのか。ウレロ流・純な男たちによるラブコメディドラマをとくとご覧あれ。

NEW 【特典】新作コント 1.「それ違うから」

社長、飯塚、角田、早見によるこのミニコント。ベタをひたすら繰り返す4人のやりとりは、オチがわかっていても何度も見たくなるほど絶妙な間合いで展開されている。序盤から肩の力が抜けたやりとりがなんだか嬉しくなる1本目だ。

NEW 【特典】新作コント 2.「私たちの関係性」

バカリズム作、バカリとあかりのユニット「あかリズム」による1本目。ウレロを通して生まれたまさかのユニットがとうとう本格的なコントに手を付けた。升野の身に起ったハプニングを利用するあかり。あかりの堂に入ったセリフと演技から目を離せない。

NEW 【特典】新作コント 3.「ゴリナのソロデビュー」

社長を手玉にとり、@川島プロダクションを何かにつけて振り回してきたUFIメンバー兼キャバ嬢のゴリナ。特典映像ではとうとうメンバーの誰よりも早くソロデビューを要求してくる。角田は言われた通り曲を作るが、ほかの事務所メンバーはもうげんなり。なんとか納得できる形にしようと社長に黙って曲を修正してしまう。ポップなラブソングが、見事なキャバソングに変化するのも笑ってしまうが、特典映像だからとハメを外す男性メンバーはこの特典一番の見所かもしれない。

NEW 【特典】新作コント 4.「秘密の」

あかリズム2本目はバカリズムのパラレルワールドが炸裂。シュールな設定の中、シリアスなバカリとライトなあかりのやりとりがショートにまとめられた逸品となっている。短い作品ながら難しい設定で、実は一筋縄ではいかなかったこの収録。あかリズム最後の収録となった2人の大事な作品だ。

NEW 【特典】新作コント 5.「女にキレることへのプレッシャー」

お笑いナタリーのニュースにも掲載したのだが、これは「『ゴリナのソロデビュー』が思った以上に角田のコントになってしまったため、劇団ひとりが活躍するコントを」ということで急遽30分という短時間で作りあげた作品。(http://natalie.mu/owarai/news/61657)ひとりお気に入りのボケ“マイケル・ジャクソン”を封じるため、セロハンテープとサングラスを隠してまで臨んだ収録だったが、ひとりの力はそんなものではなかった……。

NEW 【特典】劇団ひとり&バカリズム&東京03&佐久間Pによるニコ生実況

「ウレロ☆未確認少女」では、番組放送と同時刻にニコニコ生放送を計3回実施した。10月の第4話放送時に行った第1回には、飯塚、角田、佐久間プロデューサーが出演。(http://natalie.mu/owarai/news/58843)好評につき行った12月の第9話の模様がここには1時間強たっぷり収録されている。人気投票やニコニコ電話などでウレロファンと貴重な時間を過ごしたり、放送とともに裏話が明かしていくメンバーたち。お酒とつまみを楽しみながらまるで大学生のように男同士でワイワイ騒ぐ姿は、見る側もお酒を飲みながら楽しむことをオススメしたいところだ。また、第9話は「マサカ☆未確認少女」のサブタイトル通り、豊本がキーとなり、物語が急展開していく回。その興奮を視聴者と一緒に味わったメンバーたちは、興奮冷めやらぬまま「シーズン2は?」など話の核心に迫っている。さらに飯塚のある女性タレントへのメール大作戦の結末にもご注目を。

次回は感動の超豪華メイキング完全版!!ご期待下さい!!